目次
第1章 プレゼンスとは何か
第2章 自分のストーリーを信じ、受けとめる
第3章 説教をやめ、耳を傾けようープレゼンスがプレゼンスを呼ぶ
第4章 私はここにいるべき人間じゃない
第5章 パワーのなさは足かせになり、パワーは自由をさずけてくれる
第6章 身をかがめる、塔をつくるー伝える身体
第7章 幸せへの鍵「笑うから楽しい」
第8章 身体が心をつくるー「ヒトデになる方法」を見つけよう
第9章 パワーポーズを実践する
第10章 セルフナッジー小さな変化を大きな違いに
第11章 本物になるまでふりをし続ける
書評
速く読めないからなのか、読み進めているうちに、過去の経験を思い出してしまったりして、なかなか進みませんでした。その上この本は360ページほどある。
過去の経験を思い出してしまうのは、この本だからなのかもしれないと、読み終わってから思った。
この本は、Presenceとパワーポーズについての本ではあるが、パワーポーズは文字通りパワーになるポーズで、パワーにならないポーズのことをローパワーポーズと言う。
ポーズというのは言い換えれば姿勢のようなもので、例えば、無意識のうちに人は首に手を当てたり、手で両肘を包み込むような姿勢をするが、これはこの本で言うとローパワーポーズに該当し、そういう姿勢をとることで何か壁にぶつかった時に乗り越えにくくなるという研究結果を出している。
じゃぁそのポーズと関係しているPresenceとはなんぞや?
ネットの辞書で調べるとPresenceは“存在すること”、“いること”と出る。
これだけだと分からんし、実際簡単に説明することができないが、反対にPresenceではない状態だったらもう少し簡単に説明できるかもしれない。
Presenceではない状態は、例えばプレゼンや面接や、何かしらの発表会、試合のように、比較的強いストレスにさらされる時、自分との闘いになる。
一生懸命にどんなことをアピールしよう、どんな風に動こうと思っていても、自分に自信が持てないと、やろうと思っていたことや本当の自分自身を出せない。心ここに非ずのような状態のことを言う。
で、著者のエイミー・カディさんは様々な実験を行います。
前半はPresenceが成功した、若しくは自然にその状態になっている方達の話で、この方達の中にはTED Talkでスピーチしている方もいる。私は実際に見て、より本の内容がしっくりきました。
エイミー・カディさんもTED Talkでスピーチをしていますが、その再生回数は3500万回越えで、TED史上2位の記録を持っています。(下に貼っておきます。)
後半は、実験と結果・実験と結果・実験と結果のくり返しです。
うつ病患者、PTSの元米軍兵士、様々なパターンの面接、ポーズがとれない身体障碍者の方、ヨガと呼吸などなど、本当にたくさんの実験をされています。
後半最後のところには、エイミー・カディさんのTED Talkを見て、実践した人々からの感謝の気持ちとどう変わったのかという話があります。個人的に面白かったのは、馬の調教師が臆病な馬にパワーポーズを取り入れた話でした。
とっても長い話ではありますが、誰にでもPresenceのない状態は経験することだと思うので、それを得ることができたら人生変わります。生きる目標が今分からなくても、パワーポーズを取り入れることで、その目標が見つかるかもしれません。
読むのが苦手な人はまずはTED Talkから見てみてください。
本を読んでいて、エイミー・カディさんの人柄がいかに素晴らしいかも分かります。とにかく他者への感謝の気持ちを忘れないし、本の書き方にもそれが出ています。
“第11章のP322
これまで、本当にたくさんの人がそれぞれのストーリーを私のもとへ寄せてくれました。
その一つひとつすべてをみなさんと共有したい気持ちです。
寄せられた話の多くが、「あなたは私の人生を変えてくれました」という一文で始まります。
でも、これは確実に言えますが、私が誰かの人生を変えたわけではありません。
みなさん一人ひとりが、自分で自分の人生を変えたのです。私が紹介した小さなアイディアを心にとめ、私が思いもしなかったような方法で取り入れて、その可能性を広げたのです。”
確かにそうだと思います。自分を変えるか変えないかは自分が決めることなんで。でも、これだったらできる!と思わせてくれたのがエイミー・カディさんで、それで自分の人生変わったらみんな感謝したいよね。いい話(涙)
おすすめしたい人
- 人に言えない悩みを抱えている人
- 勝負事に弱い人
- 人前に出ると自分がやろうとしてたことを発揮できない人
- 精神的に疲れてる人
- 自信を持ちたい人
著者プロフィール・Amy Cuddy
ハーバード・ビジネス・スクール(HBS) 経営学准教授(交渉術・組織・市場ユニット)。 専門は社会心理学。非言語行動が人間に与える影響について研究。《タイム》誌で「ゲーム・チェンジャー」に、《ビジネス・インサイダー》誌で「世界を変える50人の女性」に、世界経済フォーラムで「ヤング・グローバル・リーダー」に選ばれている。
19歳のとき、頭部を強打する交通事故により深刻な外傷性脳損傷を負い大学を長期休学。このケガとリハビリがきっかけで心理学に興味を抱く。1998年、コロラド大学卒業(心理学専攻)、2005年、プリンストン大学にて社会心理学の博士号取得。ラトガース大学、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院を経て、2008年からHBSで教鞭を執る。
本書執筆のきっかけになった2012年のTEDトーク(Your Body Language Shapes Who You Are)は世界中で大反響を呼び、約3500万回の再生数を記録している(TED史上2位)。夫、息子とボストン在住。
コメントをお書きください