本の目次
第1章 【ウォーミングアップ】「地頭力」を自己診断してみよう
第2章 【大前提】「地頭力のある人」と「ない人」の違いを考えてみよう
第3章 【心がまえ】「考えはじめる」ために、三つの「意識」を持とう
第4章 【実践トレーニング】 眠っている地頭力を呼び覚まそう
第5章 【力試し】 フェルミ推定を解いてみよう
第6章 【Q & A】 よく聞かれる疑問にお答えします
書評
この本のKEYというか、それが自分にとって重要なものか、そうでないか、によって、この本の読み方は変わるのではないかと思いました。
そのKEYとは“時間”です。
ご自身の時間に対する価値観です。
本のタイトルにある「いま、すぐ」というのも時間が関係しているように思えますよね。
時間は無限だと思う人がいるのか分からないけど、そう思っている人にはさっぱり理解できない話なんじゃないかと思います。
しかし、時間は無限だと思っていたとしても、完璧主義な人には非常に関係のある内容の話です。
私も完璧主義な女です。
とても良いことだと、今も自分の完璧主義な部分に誇りを持っていますが、この本を読んで、ほどほど完璧主義者でいようと思いました。
なぜ、ほどほど完璧主義者が良いのか?
完璧主義の人って確実性を大事にします。よね?
確実性を大事にしたからこそ、人から信頼を得られたこともあると思います。これは、完璧主義の良い部分です。
私には、悩みがありまして、実は人と会うなどの小さな計画を立てることはできても、1年後の自分の目標を考えたり、それに必要な計画を立てることができません。
やりたいことはある。
でも、計画が立てられない。だから行動もできない。
なぜできないのか?
それは確実性を大事にしているからだったのです。
やりたいことを始めるためのリサーチとして、膨大な情報を入手したり、色々な状況を想定して失敗しないための予防策を考えたりします。でも、それって考えたらキリがないんですよね。
ずーっとずーっと、自分のやりたいことを始めるのかどうなのか、そこではまっちゃってるんですね。
だから動けないんです。
最終的に私がどうなるかというと、
考えすぎで目標を見失ってしまうか、リスクを恐れて止めてしまうかです。
完璧主義者の悲劇です。もちろん全ての完璧主義者の人がそうはならないでしょうが。
じゃぁ、
「完璧主義をやめよう!」と細谷功さんは言っていません。
自分の完璧主義がゆえにイケてない部分を認めてあげる。変えなくていい。
その変わり、意識して行動すること。それが大事なんだと仰っています。
悪い癖が出る瞬間に自分自身が気付いているか、いないかでは全然違うと思います。
今すぐ癖を変えることは難しくても、意識することは、難しくない。
この状況なら、「よし!じゃぁもっと曖昧で行こう!!」
と言っても曖昧ってどんな塩梅だよって感じじゃないですか。
(“適当に”という言葉が一番苦手です。)
そうやって無理矢理変えようとしないで、すこーしずつ確実性の%を下げていく。
その微々たる変化を作れるのが意識。
そして、その意識するということを続けていけば、後は塵も積もれば山となるだ。
結果、自分の完璧主義の良さだけ保ちつつ、悪い癖だけ最終的に取り除くことができるのだと思いました。
色々なアプローチの仕方が本には書かれています。
小難しい話(一部)もあれば、声に出して笑っちゃう話もあります。例えば話やイラスト(図や表以外)が的確で面白かったです。
完璧主義者あるあるというか、「あー痛いところつくねー。」と思うところが度々出てきますが、それは自分の短所を認めるチャンスでもあると思います。
そして、“時間”。
明日死ぬかもしれないという時でも、貴方は完璧主義を貫き通せますか?
たぶんできないですよね。
じゃぁできなかったとしたら、その時、どのように脳は働き、どのように行動に出ると思いますか?
その脳の働き・行動が地頭力のある人と関係しています。
ネット情報によると、細谷功さんの本の中で、この本が一番簡単な内容だそうです。理系くさいのが苦手だったり、頭かっちかちな人はこの本から読んでみるといいかもしれません。
おすすめしたい人
- 完璧主義者、でも自分はこのままでいいのか悩んでいる人。
- 未来の計画を立てるのが苦手な人。
- 自分は解りやすく説明しているのに、ほとんどいつも聞き手に理解されない人。
- 話し合いが、最終的に言い争いになる人。
- 問題解決力をつけたい人。
著者プロフィール・細谷 功さん
1964年、神奈川県に生まれる。ザカティーコンサルティングのディレクター、ビジネスコンサルタント。東京大学工学部原子力工学科を卒業後、東芝に入社する。エンジニアとして8年間働いたのち、退職。
経営コンサルティング会社のアーンスト&ヤング・コンサルティング(ザカティーコンサルティングの前身)に入社する。以来、会社の仕組み(業務プロセス、組織、IT)の改革にクライアント企業と取り組んでいる。
共訳書に『市場をリードする「業務優位性」戦略』(ダイヤモンド社)、著書に「地頭力を鍛える」(東洋経済新報社)がある。(いま、すぐはじめる地頭力から抜粋)
細谷功さんのHP
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